食べることは生きること

NHK放送文化研究所の国民生活時間調査によると現代の日本人が1日のうちに食事に費やす時間は1時間36分。注目したいのは20代から30代の若い女性の間で食事にかける時間が短くなっていることです。

秒単位で摂取できる、飲める様な食べ物が店頭にならび「お手軽」で「便利」に食べれるものだけを口にしていませんか?もしそのような生活が続いているのであればあなたの食生活を見直す必要がありそうです。

噛む事の重要性

よく言われている「噛む」ことの重要性ですが「噛む」ことには二つの意味があります。まず、食べものを飲み込みやすい形状にすることそして二つ目は噛む事で脳に「食べている」というシグナルを与える事です。この「食べている」というシグナルはとても大事です。例えば血糖値をさげるホルモンのインスリンはものを噛むだけで分泌を始めます。よって吸収された糖分が血液中に出回るころにはすでにインスリンがまち構えていて、血糖値の急上昇を押さえ込みます。
もしこの準備が整っていなければ血糖値が急激に高まり、体に大きな負担がかかります。事実、食に費やす時間がみじかい人程と糖尿病を発症しやすい傾向があります。ゆっくり噛む事で胃から腸へ送り出すスピードが速くなります。
便秘などに悩むひとも普段の早食いが問題かもしれません。

「おいしいもの」があなたに与える力

食事のあと「体がぽかぽかする」現象に気がついたかたもいるかもしれません。それは「食事誘発性熱産生」(DIT) という反応で、食べた刺激で体内の代謝が高まり、熱を生み出す反応です。このDITが高める条件として必要なのがよく噛むこと。同じ食べ物でも良く噛んで食べると丸呑みに近い状態よりDITが高くなることがわかっています。またこのDITはおいしさにも左右されおいしいものを食べたときのほうが高い値を示します。つまりおいしいものをたべた方がDITの値は高いのです。

おいしさを感じとるのは脳の役目。味や香りはもちろん、歯ごたえや食べたときの音、料理の見た目などを総合的に分析し、「今おいしいものを食べている」と脳が判断すると内臓などに代謝を高める指令が出されるのです。

サプリメントだけでは補う事ができない「食」のちから

食事を取る時女性は食に含まれる「成分」や「カロリー」だけを重要視してしまいがちですが食べることに重要なのは食事を楽しむ事です。おいしい食べ物をゆっくり楽しむことは脳にも体にも代謝にも良いのです。サプリメントで鉄分など不足している栄養素を摂取される方も多いようですがサプリメントを取らないと栄養素がとれていないという事はもともとの食生活にバランスがとれていないことを表しています。
おいしさにこだわり、食事に時間をかけることで一歩先の上質な食生活を送りませんか。

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